「社会保険適用拡大で私たちって社会保険に入ることになるの?」
パートさんから聞かれたこんな話。社会保険加入になれば扶養控除から外れるようになるし、手取りは減る。間違いなく子育てしてる主婦さんにしたら勘弁してほしい所だなぁって思って調べました
まずは社会保険適用拡大の条件や、いつからなのかのおさらい
【社会保険の加入対象拡大とは?】
- パート・アルバイトなど、非正規雇用労働者への適用拡大
- 従業員501人以上の企業で働く、週の所定労働時間20時間以上、月収8.8万円以上、雇用期間1年以上見込まれる人が対象。
- 2024年10月から段階的に実施予定。
【対象となる社会保険】
- 健康保険
- 厚生年金保険
【加入対象拡大のメリット】
- 被保険者
- 病気やケガをした際の医療費負担が軽減(原則3割負担)
- 老後の年金受給額が増加
- 障害年金や遺族年金などの保障も受けられる
- 企業
- 従業員の福利厚生が充実し、優秀な人材確保や定着につながる可能性
- 企業イメージ向上にも貢献
段階的に。とはどんな段階を経て上がっていくのか
社会保険の加入対象拡大は、2024年10月から段階的に実施される予定です。具体的には以下の通りです。
- 第1段階(2024年10月〜):
- 従業員数1001人以上の企業が対象となります。
- 第2段階(2025年10月〜):
- 従業員数501人以上の企業に対象が拡大されます。
つまり、従業員数の多い大企業から順に対象となり、段階的に中小企業へと拡大していく形となります。
この段階的な実施は、企業の規模によって対応能力や準備期間が異なることを考慮し、円滑な制度導入を目指すためのものです。
とのこと。
なのでどちらかというと中小企業と言っても、小さい飲食店ならばあんまり関係ないような話ではあります(笑)(500人も従業員はいないので)
ですが個人経営(店主がオーナーで、奥さんも切り盛り。パートが数人)以外は、社会保険に入っている場合が大半なので、大体の人が加入することになるでしょう。
なので特に普段と変わることはありません。過剰な心配をする必要はないと思います。
なので今注意する点としては社会保険加入条件と、扶養控除の条件の重複(重なる部分)する点です
具体的には以下の通り。
重複する部分
- 収入要件:
- 社会保険加入条件: 月収8.8万円以上(年収約106万円以上)
- 扶養控除の条件: 年収103万円以下(令和5年分)
重複する部分が生じるケース
例えば、
- 週20時間以上働き、月収8.8万円以上のパート・アルバイトの場合、社会保険加入条件を満たします。
- しかし、年収が103万円以下の場合、扶養控除の条件も満たすことになります。
注意点
社会保険の加入対象拡大により、2024年10月以降は従業員数1001人以上の企業で働くパート・アルバイトも、上記条件を満たせば社会保険に加入する必要があります。
社会保険加入条件を満たす場合、原則として扶養から外れ、自身で社会保険に加入する必要があります。
扶養の判定は、税法上の扶養(所得税の扶養控除)と社会保険上の扶養(健康保険・年金保険の被扶養者)でそれぞれ異なる基準があります。
以上の点で加入条件を満たしていると社会保険の適用となり、扶養控除の条件内なのに扶養控除が受けられない。ということになるので注意が必要です。
店長も社会保険については、もちろん加入することは大事ですが、扶養控除の部分と被る場合はどちらかというと扶養控除の適用を優先してもらいたいと思いますし、この辺りもできれば改悪でなくて改善していってほしいなと思う今日この頃でした。
※近日、年金事務所などに問い合わせた答えも帰ってくるのでこの記事はまた更新したりしたいと思っています。
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